2013年9月11日水曜日

スターネット オーダーシューズサロン


歩き方の癖はひとそれぞれにあります。
癖を矯正することを考える前に、
どうしてその癖がうまれたのか
癖がうまれた理由のほうが知りたいのです。
なぜなら、癖もなおした方が良い場合もあれば、
なおさない方が良い場合もきっとあると思うからです。

元気良く手を振って大股で歩くほうが健康に良いといっても
時と場所と身なりによります。
身体のぶれを最小限にして、身体への負担を軽くしようといっても
誰よりも遠くへ、誰よりも速く歩くことは望んでいません。
疲れたくないと思っている人は多いようですが。。

正しい身体の使い方は、
身体の一部である“頭”だけで考えた不自然な使い方です。
頭で考える正しさよりも、
頭で考えない自然な身体の使い方が望ましいのかなと思います。

先日のお客様は靴底を修理してほしいとお持ちなったのですが
とてもバランスがよく消耗していたので、
「このままもっと使って減ってしまっても靴も身体も大丈夫ですよ」と、説明しました。
そしてきっと、新品の底よりも歩きやすくなっているはず。
スターネットのオーダーシューズサロンで1年前につくった白い靴。
身体と相性が良いその靴は、靴底がすり減っても
均整のとれたまっすぐな佇まいをしていました。

ちなみに身体障害者の方は靴を半年くらい履いて、自分の歩き癖を靴におぼえさせます。
靴底がちょうど交換時期になるころ、最高に歩きやすくなっているから、
元に戻す修理ではなく、修理前と同じように修理することに気を付けます。
これがとても難しいのです。
その人の自然な歩行を靴のつくり方はひとそれぞれ。
教科書の正しい歩き方は数億分の一の例。
癖を活かす靴づくりの道のりは険しいけれど、愉しい仕事です。

オーダーシューズサロンでは
そんな靴づくりを実践し、健やかな身体と心を育みたいと思っています。

毎月第1,3土曜日 スターネット益子店でお待ちしております。